漫画  どろろ
 1967年 8月27日から-1968年 7月22日まで 「週刊少年サンデー」(小学館)に連載されました
 体の48箇所を魔物に奪われた百鬼丸が、魔物退治の旅を続ける怪奇マンガです。
  戦国武将に仕える醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、生まれて来るわが子の体を、48匹の魔物に与えてしまいました。  そうして生まれた子供は、体の48ヵ所の部分が足りず、川に流され捨てられてしまいました。  時は流れ、戦(いくさ)の世を旅する少年・百鬼丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた赤ん坊の、成長した姿だったのです。  百鬼丸は、体を奪った妖怪を1匹倒すごとに、失った体の部分を1ヵ所取り戻すことができるのです。  百鬼丸は、どろろという名のドロボウ少年と知り合い、一緒に旅をするようになります。  しかし、どろろと百鬼丸の行くところ、妖怪や死霊が、次々と襲いかかって来るのでした。
(未完)
 日本の戦国時代を舞台として、東洋の伝説や説話に出てくるような妖怪が次々と登場してきますが、これらの妖怪は、すべて手塚治虫の考えたオリジナルです。  連載当時は、ちょうど水木しげるの描く妖怪マンガがブームだったため、それとくらべて語られることが多かったのですが、『どろろ』は、むしろ妖怪マンガというよりは貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)と見ることができます。
  貴種流離譚というのは、身分の高い主人公が幼くして故郷を離れ、数々の苦難をのりこえて英雄になるという、昔からある物語の一類型のことです。  この「週刊少年サンデー」の連載は未完のまま中断しましたが、その後、テレビアニメの放映に合わせて、月刊雑誌「冒険王」に第2部が連載され、一応の完結を見ることになります。

1 発端の巻 1967年 8月27日
嵐の地獄堂で、ひとり魔物に向かって祈りをささげる醍醐景光。彼は、そこに棲む48匹の魔物に、天下取りの野望をかなえる代償として、まもなく生まれてくる自分の子どもの体をささげることを約束する。果たして、その約束は聞き入れられ、生まれてきた息子の体は、体の48ヵ所が足りなかった。景光は、我が子を川に流し捨ててしまう。
2 百鬼丸の巻 1967年 8月27日から 9月24日
それからしばらくして、戦乱の世を旅する少年・百鬼丸がいた。実は、彼こそが景光に捨てられた子どもだったのだ。川に流された百鬼丸は、貧しい医者に拾われ、育てられた。やがて成長した百鬼丸は、医者に義手や義眼を作ってもらい、旅に出たのである。だが、百鬼丸の行くところ、かならず魔物たちがついてまわるのだった。そしてその百鬼丸に助けられた泥棒少年・どろろは、百鬼丸の腕に仕込まれた刀が気に入り、それを自分の物にするまで、百鬼丸と一緒に旅をすると言い出すのだった。
3 法師の巻 1967年10月 1日から10月 8日
百鬼丸は、どろろについてくるのをあきらめさせようと、自分の生い立ちを語る。それは、まだ旅に出たばかりのころの話だった。百鬼丸はひとりの名もないびわ法師に出会った。法師は、剣の力に頼ろうとする百鬼丸に、人はもっと素直に生きるべきだということを教え、百鬼丸を、戦乱で親を失った子どもたちがすむ山門へと連れていく。百鬼丸は、そこでみおという、子どもたちの親代わりをしている娘と出会い、恋に落ちた。だがみおと子どもたちは、百鬼丸が留守をしている間に、武士たちに殺されてしまった。それ以来、百鬼丸は人を愛することはなくなり、心の暖かさを失ってしまったのだ。しかし、その話を聞いても、どろろは、なおも百鬼丸についていくと言い張るのだった。
4 金小僧の巻 1967年10月15日から10月29日
百鬼丸とどろろが河原で野宿をしていると、金小僧という妖怪が現われ、百鬼丸の耳元で何かをささやいた。翌日、村人にその話をすると、理由も言わずに捕まり、万代(ばんだい)と名のる女性の屋敷に閉じ込められてしまった。すると間もなく、閉じ込められた部屋の井戸の中から怪物が現われ、どろろと百鬼丸に襲いかかった。実は、この村には、村人を殺して金を奪う恐ろしい妖怪が棲みついていたのだ。
5 万代の巻 1967年10月29日から11月12日
金小僧は、いままで怪物に奪われた村人の金のありかを教えるために出てきた妖怪だった。百鬼丸は、村人に金が戻ったことを知った怪物が、ふたたび村を襲うに違いないと考え、村人と共に妖怪を迎え討つ準備を始めた。そして予想通り現われた怪物の正体は……!!
6 人面瘡の巻 1967年11月12日から11月26日
百鬼丸は、みごとに怪物を倒した。だが、そのためにどろろが負傷してしまった。百鬼丸は村人たちに救いを求めるが、村人の反応は冷たかった。しかたなく、河原でひとりどろろを介抱する百鬼丸。そのとき、急に百鬼丸の右腕が痛み出した。腕に仕込んだ刀が外れ、本物の腕が生えてきた。魔物を1匹倒したために、体の1部分が戻ってきたのだった。
7 無残帳の巻 1967年11月26日から12月10日
どろろは、自分の悲惨な過去を回想する。野盗の頭(かしら)・火袋のひとり息子として生まれたどろろ。火袋は、農民の生活を苦しめる武士だけを襲うよう部下に命じていたが、そんな考えに反対する部下のイタチは、火袋を裏切り、自分が頭の座についた。傷ついた火袋は、妻のお自夜と共に、幼いどろろを連れて放浪の旅に出ることになった。しかし長引く戦乱のために、どこの村も飢えに苦しんでおり、3人に安らぎの場所はなかった。やがて父が死に、母も死んで、どろろはひとりぼっちになってしまった。
8 妖刀の巻 1967年12月17日から1968年 1月 1日
旅行く百鬼丸とどろろの前に、辻斬りが現われる。だが、実はその男は、自分の持っている似蛭という刀に操られていたのだった。似蛭はそれを手にした人間を、殺人鬼にしてしまう妖刀だったのである。そして、その刀を盗んだどろろも、殺人鬼となって、罪もない老人を斬りつけてしまう。
9 ばんもんの巻 1968年 1月 7日から 2月18 日
百鬼丸とどろろは、丘の上にそびえ立つ巨大な板を見つける。それは、ばんもんと呼ばれる、この国を南北に分けていた板塀の残骸だった。そして板塀はなくなっても、国は相変わらず南北に別れて戦をくりかえしていた。実はそれは、この丘に棲みつくキツネ妖怪のしわざだったのだ。百鬼丸は、その丘で、父・醍醐景光と再会する。景光は、砦を守る侍大将となっており、多宝丸という百鬼丸の弟が生まれていた。
 10 白面不動の巻 1968年 2月25日から 3月31日
百鬼丸とケンカ別れをしたどろろは、死んだ母にそっくりの女と知り合い、その家へ行く。だがその女の正体は、白面不動という妖怪の手下の死霊だったのだ。白面不動には自分の顔がなく、死霊が連れてきた人間を殺してはその顔を奪っていた。しかし、どろろから「かあちゃん」と呼ばれて慕われた死霊女の心に、やさしさが芽生え、女はどろろを白面不動から逃がそうとする。その騒ぎの中、百鬼丸は、どろろの背中に、どろろの母が書きのこした埋蔵金のありかが記されていることを知る。そこへふたたび現われたびわ法師の言葉に従って、百鬼丸は、どろろと共にその埋蔵金を見つけ出し、それを貧しい人々のために役立てようと考える。
11 鯖目の巻 1968年 4月 7日から 5月 5日
百鬼丸とどろろは、鯖目(さばめ)という郷士の家へ泊めてもらうことになった。鯖目は、その名のとおり死んだ魚のようなぶきみな目をしていた。実はその鯖目の妻は、マイマイオンバという蛾の妖怪だったのだ。その妖怪の妖気のために、鯖目はぬけがらのようになっていたのである。孤児の子どもを拾って育てていた尼僧を、その妖怪が殺したということが、どろろの活躍で明らかとなり、百鬼丸は、妖怪に敢然と戦いを挑んだ!
12 地獄変の巻 1968年 5月12日から 6月 2日
家を焼かれて逃げたマイマイオンバは、幼虫たちを僧侶に化けさせて、再び村へ舞い戻る。そして、百鬼丸は毒を盛られて身動きができなくなり、どろろも幼虫に捕らえられてしまった。だが、そこにマイマイオンバに殺された子どもたちの幽霊が現われ、どろろに味方して、なんとか窮地を脱することができた。百鬼丸は、光に集まる蛾の習性を利用し、真夜中の沼にたいまつをともして、マイマイオンバと最後の対決をする。
13 二ひきのサメの巻 1968年 3月31日から 6月16日
埋蔵金の秘密を知った野盗のイタチが、どろろを誘拐した。イタチはどろろを連れて、埋蔵金があると見られる岬へ向かって船を出す。ところが、船頭の少年は2匹の人食いザメを飼っており、野盗たちをサメのエサにするつもりだった。早くも1艘の船に乗った野盗たちはサメの餌食となった。そして、どろろたちの乗った船にもサメが迫っていた!
14 しらぬいの巻 1968/06/23-1968/07/07
百鬼丸は、野盗にさらわれたどろろを、必死にさがしていた。百鬼丸にとっても、いつしかどろろは、かけがえのないパートナーになっていたのだ。そして百鬼丸は、沖から近づいてくる船にどろろが乗っているのを見つける。だが、船にはサメが迫っていた。百鬼丸は、海へ飛び込み、サメの目に刀を突き刺した。
15 無情岬の巻 1968年 7月 7日から 7月21日
野盗のイタチは、どろろの背中の地図を見て埋蔵金のありかを知ってしまった。だが、埋蔵金の隠し場所にはワナがしかけてあり、そのためにイタチは、断崖から墜落しそうになる。そのとき、それを助けに向かったのは、どろろだった。ところが、そこへ埋蔵金のウワサを聞きつけた地元の代官がやってきて、埋蔵金を横取りしようとする。
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