- 企画 日本楽器製造
- 原案、構成、製作 手塚 治虫
- 作画監督 正延 宏三
- 美術設定 西田 稔
- 仕上 池田 径子(片山)
- 背景 ムクオスタジオ
- 撮影 菅谷 正昭
- 作曲 横山 菁児
- 音響 田代 敦巳
- 進行 福島 信行
声
ミースケ 松島 みのり
チーチャ 増山 江威子
イケボー 山本 嘉子
ドンタン 北川 国彦
-
|
- 今度は戸棚からチーチャとイケボーが飛び出してきてふたりはお母さんを助けるため、神様ドンタンの問題を解かなくてはならないと言い、ミースケに協力を求める。そしてミースケは戸棚を通って南の国へ…。
絵コンテの段階から、手塚先生に張り付いた、雑誌に忙しい中の作業であったが、退職届を出した私には、時間はいくらでもあった、泊り込みの日が続いた。作画はスタジオ テイク 代表の正延 宏三さんとは、あしたのジョーで大の親友となっていて、気心も知れ、続いてのメルモも手伝ってもらう約束が出来ていた。そして同じく、ひろみプロの仕事をしていた、仕上げの池田さんが(現片山)駆けつけてくれて、無条件で昼夜を問わず仕上げを手伝ってくれ、色指定の段階では手塚プロ2階映画部の住人となっていた。美術の西田さんも作画が進むに連れて、背景のボードを貼っていき、各シーンの背景が出来上がっていった。
撮影の菅谷さんは関越のそばの自宅を改造して、撮影機を置いてあった、私と同じギャランGTOを色違いで(オレンジ)乗っていたので仲間意識を持った。撮影は早かったが、なにせ飲平、ビールをケースで買っていた。そして、貿易できれいな貝の輸入品を扱っていた、会社名も珊瑚礁と付けていた。音響は田代さん任せておけば良かった、手塚先生はやはりアニメがやりたくて仕方がなかった、いくつかのカットを自分で書いた、虫プロの邪魔をしないように、仕上げの外注さんは、遠くても頼みに持っていった。寝ない日が続いた。撮影出しは、手塚先生に付きっ切りで指示を受け、演助の仕事までやった、乗っていた仕事であった。背景がかなり上がった所で、手塚治虫からクレームが出た。ジャングルの背景のイメージが違うと言う、もっと、羊歯(シダ)のような感じの葉っぱにしてほしいと言う注文であった。
- もうほとんど、背景はあがっていた。私たちは、それがどのような事か知っていた、ムクオスタジオは、ほかの仕事も入っていた、西田さんに、負担が掛かる。次の朝すべての背景が治っていた。徹夜で、西田さんが一人で書き直していた。虫プロ魂であった。確かに、手塚治虫の指摘は、正しかった、見違えるように背景が生きた、西田さんも納得した。 そして挿入歌の子守唄、ね〜んね、ねんね、でぐっすりとねた。
|
-
|
私的には、先の氷の国のミースケのほうが、良い作品と思う、そして黒人を使った事で、この作品は日の目を見なくなるかもしれない。
この作品はたしかにわたしが、製作担当した、しかし、当時はまだ、手塚プロの社員ではなかった。映画部鈴木部長は、私を喫茶店に呼んで頼んだ「あなたの名前をタイトルに入れないことを承知して欲しい」と、
「手塚 治虫と仕事が出来ればよいのでかまわないよ」と私は答えた。 |