毎日、まいにち、深夜まで残業が続きました。テレビや、新聞さえ見る暇もなく、娯楽が乏しくなっていました。
そんな時、やなせ先生のまねをして、紙芝居を作りました。
下手な絵に、皆さん笑ってくれました。
その下絵が出てきました。
「黒ねこのタンゴ」という歌が、はやっていました。 |
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むかしいっぴきの、くろぶたがいました。
名前は、タンコといいました。
そのこぶたは、コーヒを飲みすぎたので、顔が黒かったんです。
そして、ある、太陽の輝く月の夜、桜の花が、咲き乱れた日に、お母さんがどこかへいってしまいました。
こぶたのタン子はお母さんを探しに、旅へ出ました。
そしてこぶたのタン子は、カタツムリに出会ったので、
「もしもし、あなたはわたしのお母さんですか」と聞きました。(*このせりふは、藤山寛美さんのものまねで)
「いいえ、ちがいます、わたしは、かたつむりです」と、カタツムリはこたえました。 |
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くろぶたのタン子はまた、たびにでました。
海の近くをとおるとき、いちわの野うさぎにであいました。
「あなたは、わたしの、お母さんですか」とまた聞きました。
「いいえわたしは、うさぎです」
すると、タン子は、「スクータだ!、スクータだ!」とさけびました。すると、うさぎさんは
「ちがうわぁい、ラビットだい!ラビットだい!」
といいましたので、しらけてしまいました。
(富士重工のスクーター・ラビットのこんなコマーシャルが流行っていたのでした) |
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それで、また、黒ぶたのタン子はたびにでました。
するとこんどは、やまのなかの道で、一匹のカニさんに、あいました。
「もしもし、あなたは、わたしのおかあさんですか?」と、黒ぶたのタン子はききました。
「いいえ、ちがいます」と、カニさんはいいました。
「こはいかに、わたしの、まみ〜はどこかしら〜ん」と黒ぶたちゃんが言うと。
「いいえ、わたしは、やさしいカニさんです、けして、こわいかにではありません」といいました。
そして、かきのたねをくれました。
(幼稚園で、浦島太郎の、歌を歌いそのあと、浦島太郎の、お絵かきをしたそうです、すると、怒っているカニの絵を描いた児童がいたそうで、そのこは、浦島太郎が玉手箱を開ける、歌詞で、こは、如何にの歌詞を、「恐い蟹」と受け取ったので、怒っている、蟹の絵を書いた。という事が、話題になっていたのでした)
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しょ〜がないのでまた歩いていきました。(わざわざしょうがない、といったのは、弁当のおかずの残りで生姜、が残っていると、「しょ〜があるぞ!」といって、差し出す人が、居たからです)
すると、広い野原のお池のそばにつきました。
お池で、さかながはねたので、
「あなたはわたしの、おかあさんですか」
と、黒ぶたのタン子はききました。
「No, I am Fish」と、お魚ちゃんはこたえました。そのお魚は、外国のお魚だったのです。
そばに、カマきりさんがいたので、
「あなたは、わたしの、おかあさんですか」
とききました。すると、カマきりは、カマをカマえて
「そんなことに、カマえるか!しらへんでェ」
とぶっきらぼうに答えたので。タン子は、はらがたちましたが、カマんして
「ありがとう」と言いました。
カマきりは、
「おカマいもしませんで、カマがあれば草を刈りか、カマを炊いて食事でもしてもらえたのに、といいました。
関西出身で、近井君という人気者が降りました、斑鳩のちかやん、と手塚先生も呼んでいました。その人の口真似をしたのだと思います。(こういうのを楽屋落ちといいました)
気ずいたのですが、この頃まだ「おカマさん」と言う言葉を知りませんでした。知っていれば、駄洒落に使ったでしょうね。
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やがてまた、海にでました。
とつぜん、ナメクジが鼻の上に、落ちてきたので黒ぶたのタン子ちゃんは、びっくりしました。
「あなたは、わたしのお母さんですか?」
と聞くと、ナメクジは
「わたしは、ナメクジですよ」
といいました。
とおい国から、飛んできた、小鳥さんを見て、黒ぶたのタン子ちゃんは、
「あなたは、わたしの、お母さんですか?」
と、また、たずねました。
小鳥はこたえて、
「あなたの、お母さんは、海のムコウよ」と、いいました、彼女は九官鳥でした。 |
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そんなわけで、黒ぶたのタン子ちゃんは、海をヨットで渡ることにしました。
大きな夕日が沈むところでした。
夕日に向かって、黒ぶたのタン子ちゃんは、叫びました。
「あなたは、わたしのお母さんですか?」
夕日は
「いいえ、わたしは、太陽です。わたしは、みなさんのこころです。あなたのお母さんではありません。
ほんと、よかったですねェ、それでは、さよなら、さよなら、」と言いながら、にんぎ、にんぎ、をしながら沈みました。
それには一番星がかがやいていました。
「おかあさん」
思わすタン子は涙をながしました。
ここはもちろん、映画劇場での解説者「淀川 長治」さんのパクリです。
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その夜、黒ぶたのタン子は、大きな、大きな汽船にあいました。
「あー・ゆーあ、まい、まざー」
とたずねました。すると汽船は、汽笛をひとこえあげて、
「のー、あいあむ・のっと、ゆうあーまざー」とこたえました。
なんと、はいくらすな、かみしばいでしょうね。
そして「ア・・・・アナタノ・オカーサン・・・・オナタト(あなたと)オナシカコシテルヨジョ(おなじすがたしているよ)、ミナ ァ・・・・マミー ジブンオナジョ(自分とおまじすがたをしているのよ)」
と言いました
そして、もう、アメリカが近いことを教えてくれました。 |
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さあ。
猛すぐ、アメリカへつきます。
そうすれば、お母さんの居所がわかるのです。
がんばれ!、がんばれ!、
黒ぶたのタン子 !! |
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アメリカへつきました。
港には一人ヨットで太平洋を渡った、大英雄を一目見ようと、大観衆が集まりました。
「FBIがあなたのお母さんを探してくれる、約束をしました」
と言ってもらいました。 |
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ビルの谷間を歓迎のパレードです。
紙ふぶきが舞い、人々の歓声はテレビ中継もされ、アメリカ中に、響き渡りました。 |
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FBIの捜査の結果、お母さんは日本にいることがわかりました。
やがて、別れの時がきて、黒ぶたのタン子は、また一人、ヨットで日本へ帰ることになりました。 |
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地球は回る
地球は回る
やがて、日本が近づいて.......。
富士は日本一の山
黒ぶた号は海を行く!。 |
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メモ紛失 |
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やがてついたよ、にっぽんへ
日本良いとこ、居よいと、
おっかあまってる、にっぽんだぁ
空も青いし、心もかろく、
タン子は胸にとびこんだ。
「おかあ〜さん」
よかったネ、めでたしめでたし。
END
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